福岡県福岡市南区桧原1-5
桧原桜(ひばるざくら)と昔から愛されている桜の木があります。
今は桧原桜交差点、桧原桜公園もでき、桜の名所になっているようですが、
その昔、この桜の木々は伐採される運命にありました。
それを嘆く一人の男性からはじまった、桜を惜しむ思いは、
幾多の人々を介し、繋がり、今も昔と変わらぬ桜の姿を残してくれたのです。
人々が惜しみ守った桜を見に行こうと職場の皆で行ってきました。
雨の降る令和二年4月1日
桧原桜を見に
桧原桜交差点と名付けられた交差点沿いに桧原桜は咲いています。
交通量の多い道、立派な立派な桜が佇んでいました。
横で車が走っているはずなのに、そんなことを忘れて見入ってしまいます。
桧原桜を惜しんで読まれた歌とその歌に対する返歌が刻まれた歌碑。
歌碑に刻まれた和歌については、下記に紹介します
「桧原桜物語」をお読みください。
道徳の教科書に載っている話しらしいですが、自分は存じ上げませんでした。
聞いたこと、学んだことがある方もいらっしゃるかもですね(*´ω`)
桜と桜を惜しむ人々の温かいお話しをどうぞ
「桧原桜物語」花かげの花守りたち
蓮根池(れんこんいけ)のほとりにある
小さな桜並木は樹齢七十年
「桧原桜」の愛称で親しまれています。
◇長住と桧原をつなぐ桜の道は、昭和五十年まで、
くねくねと曲がって、車の離合も困難な狭い農道(今の桜の下の道)でした。
南北から道路の拡張が進められて、昭和五十九年三月十日の朝、
蕾をいっぱいつけた桜が一本伐られていました。
残りの桜もはかないさだめ(運命)です。
翌早暁(よくそうぎょう)、桜に命乞いの色紙が吊るされていました。
花守り (はなもり) / 進藤市長殿
花あわれ / せめては / あと二旬 (にじゅん)
ついの開花を / 許し給え。
(二旬=二十日・ついの=終の)
◇つぎの日も、つぎの日も、桜は伐(き)られませんでした。
気持ちの優しい業者さんの執行猶予(しっこうゆうよ)だったのでしょう。
そして朝のジョギングで、この色紙を発見した暁の紳士の共感が、
地元の新聞に伝えられ、「短歌に託し命乞い」の大きな記事となり、
花を惜しむ歌や句が、次々に桧原桜によせられました。
・今年のみの / 桜いとしみ / 朝ごとに / つぼみふくらむ/池の辺に佇つ
・春は花 / 夏は葉桜 / 幾年に / なぐさめられし / 並木道かな
・うたにたくし / 花のいのちを / こう人の / なさけ拡ごる / 春はかなしも
・眼底に / さくらを宿す / ランドセル
◇詠み人知らずが枝をつるした、数十首の色紙や短冊が春風にゆれるさまは、
さながら王朝時代の観桜(かんおう)の宴(うたげ)の風情(ふぜい)でした。
そして、うちの一首が
筑前(ちくぜん)の花守(も)り、進藤一馬福岡市長の返歌と知れました。
桜花(はな)惜しむ / 大和(やまと)心の / うるわしや
とわに匂わん / 花の心は
こうして桧原桜は”終(つい)の開花”を許されたのです。
郷土に緑の深い作曲家の團伊玖磨(だんいくま)さんが、
このことを名随筆「パイプのけむり」に取り上げられ、ワールドマガジン
「リーダーズ・ダイジェスト」に転載されてて海外の話題にもなりました。
花吹雪が散って、薫風のころ、桜の枝に
・葉桜の / そよぐ梢(こずえ)の / 風涼し / 花守り市長の / 情け通じて
道路が桜を生かす計画に変更されて、永久の開花がかなえられたのです。
若桜が植えられ、夜間照明も整備されて、前の道路も「桧原桜通り」の愛称に。
「福岡さくらの会」で花問答の歌碑が建てられ、桜の植樹もおこなわれました。
◇筑前の花守りは、平成四年に、花々の散り敷く道を静かに去って逝かれました。
平成十五年に桜と面会された團伊玖磨さんも、
同年中国の蘇州(そしゅう)で旅立たれました。
◇桧原桜の花物語は、小学一年生と六年生(全国版)の
道徳の副読本に取りあげられています。
すぐ前の西花畑小学校では、「花っこ運動」のシンボルとして
児童たちに親しまれています。
平成十九年に外環状高速道路がクロスして「桧原桜交差点」に。
そして、二十年に、「桧原桜公園」が誕生しました。
◇桧原桜は、多くの”花かげの花守りたち”に守られて、
毎年爛漫(らんまん)の花化粧で、多くの人たちに喜ばれています。
・あまた / あまた / 恩寵(おんちょう)うけし / 花の宴
回生三十六春 令和二年 花守り会
看板より
拡幅工事の図
動画もあります
奇跡体験アンビリーバボーでも紹介されたそうで、そのときの動画がYouTubeにありました。
「アンビリーバボー 福岡 桜」で動画検索すると出てきますよ(*´▽`*)
所在
福岡県福岡市南区桧原1-5
すぐ近くの桧原公園で検索してみてね。
さくらのポスト
さくらの歌(短歌)を募集しているそうです。
桧原桜物語を知り、自分も和歌を読んでみたくなりましたが、
毎年募集してるのかな?ちょっと応募してみようかな(*‘∀‘)🌸
和歌で思いを伝える日本人の粋な心情、それにこたえる大和心は素敵です。
機会があればぜひ一度、桧原桜を見に行かれてみてください。
最初に桜を惜しむ和歌を詠んだ、土井義胤(どいよしたね)さんの著書⇩⇩⇩
日本人って素敵よね(´ω`*)✨